付加断熱2×6工法 透湿防水シートの正しい施工方法

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仙台市宮城野区K様邸では外の付加断熱施工と透湿防水シート張りが完了しました。

内部の充填断熱と防湿気密シート施工も間もなく完了致します。

断熱工事前は大量の高性能グラスウールが現場に届きます。

先週末にお施主様との配線立ち合い(コンセントやスイッチの場所確認)

と細かい棚やカウンターの収まりの確認も出来たので断熱気密工事を開始しました。

梅雨時期や台風が来る時期の付加断熱は緊張感があります。

外部には撥水加工のされたグラスウールを採用していますが濡らす訳にはいきません。

(撥水加工の32キロ品45㎜の付加断熱グラスウールを鎌田工務店では採用しています。)

 

 

  

 

 

壁には140㎜の厚みのグラスウール断熱材を入れています。密度も16キロ品の

高性能断熱材です。(こしがあり独立して立つくらいしっかりした断熱材です。)

密度が低く、性能の低いグラスウールなどの断熱材を使用すると将来、垂れて隙間が出来たり、

熱が逃げやすくなります。この高性能な断熱材を使うとそんな心配もなく、

確実に性能を発揮してくれます。断熱材を施工した後、防湿気密シートを後から貼っています。

これを丁寧に施工することで確実に気密性能が出て、C値(隙間相当面積)も

0.5を切ることができます。この防湿気密シート施工をすることで、

室内の湿気も壁の中に入れません。先張りシートや窓周り配線などの穴など

気密テープで処理をする為手間は掛かりますが、性能を確保するために大事な作業になります。

いくら断熱材に高性能な良いものを使っても気密性が低いとそこから熱や湿気も

出て行き入ってきてしまいます。この防湿気密をしっかりと行わないと壁の中に

湿気が侵入して、躯体の内部結露の原因になってしまいます。何でもそうですが、

良いものを使って正しく施工することは性能を発揮するための必須条件と言えます。

断熱・気密の施工精度を上げるためには、現場管理者・断熱施工者は勿論のこと、

電気工事を担当する技術者や大工さん・水道業者さんや工事に関わるの職人の

共通意識が本当に必要です。断熱や防湿気密に絡む電気、換気、水道の施工部位も

共通の認識が無いと良い防湿構造が出来ません。

 

 

K様邸の透湿防水シートは遮熱効果もあるABSS(アビス)遮熱シートを採用しました。

遮熱の効果よりも、他の透湿防水シートよりもかなり丈夫なのと

防水の効果に期待して採用しました。防水シートとの継ぎ目やサッシの取り合いは

防水気密テープで連結します。シートとシートのジョイントをテープするのは

付加断熱のグラスウールが冷やさらない為の防風効果もあるので徹底しています。

通常、透湿防水シートは壁の中の湿気は逃がすが、外からの雨水は通さない

シートで住まいの長寿命化に貢献する優れものです。

ご存知ない方も多いと思いますが、透湿防水シート(俗称:タイベックシート)を

日本に広めたのは新住協の代表理事の鎌田先生です。今から約30年前の話です。

現在では100%と言ってよいほど透湿防水シートは用いられるようになっていて

透湿防水シートの施工が瑕疵保険での防水チェック項目もあります。

木造住宅に透湿防水シートを外壁を貼る前に全面くるみ、通気層を設けることになった事で

木造住宅の寿命が延びた事は大変な功績だと思います。

鎌田工務店ではこうした部材選定をする時に、お施主様に代わり情報を集め確かな素材と

価格のバランスを考えて提案しております。実証された良いものを積極的に使用出来るのは

小回りが利く小さな工務店の利点だと感じています。

今週は晴れ間を見て、外部の通気胴縁の工事を進めながら

いよいよ内部の造作工事がスタートします。