付加断熱。躯体換気

仙台市若林区T様邸では建て方工事が完了して造作工事が進んでいます。

T様邸はUA値が0.29W/m2Kと外皮性能が高いです。

鎌田工務店の最近の壁の断熱構成は

充填断熱90mm+付加断熱45mm=135mm厚みの壁で建築が多いですが

T様邸は充填断熱90mm+付加断熱90mm=180mm

一般的な付加断熱の2倍の厚みに成っています。

 

 

 

家を快適にするには魔法はなく断熱材を丁寧にたっぷりと入れる事に

成ります。断熱材を入れれるのは建築時だけに成ります。

なので建築時に出来る限り、断熱性を高めることをお薦めしています。

この差は目に見えないのと建築後、生活をし始めてからわかるので、

知らないと優先順位は下がってしまうと思います。

もちろん、コストとのバランスを考えてにはなりますが、

可能な限り基本性能は高めておくと快適で省エネな暮らしが出来ます。

鎌田工務店で造る住宅は断熱・気密施工を丁寧にする事によって

冬暖かい暮らしが出来る家を心がけています。

もちろん、夏を涼しく住まうための建築的工夫も建築の教科書以上に

施工しています。基本は建物の断熱強化、庇やLow-Eガラスなどによる

日射遮蔽が主になりますが、壁や屋根、小屋裏内に熱を溜め込まず

熱気を効率よく熱を抜く工夫をしています。

つまり躯体換気(温度差換気)を十分機能させることです。

 

 

 

 

 

 

外壁面の通気工法は勿論ですが、軒先に通気口(換気口)を設けて、

小屋裏の熱気は屋根の棟から抜く”棟換気”を採用しています。

小屋裏換気の方法は様々ですが、棟換気が最も換気効率が高く、

望ましい方法です。鎌田工務店では特別な理由がない限り屋根の

てっぺんに取り付ける棟換気を標準としています。

棟の躯体換気をスマートに換気効率を高めるやり方として更に軒天井

(のきてんじょう)に取り付ける軒天ケイカル板の有孔ボードがあります。

軒先換気と棟換気(外壁の通気構法も含めて)を組み合わせることで

効率よく小屋裏の熱を屋外に自然排出出来ます。

真夏の小屋裏は60℃以上まで温度が上がります。

熱い空気は上に上がる温度差換気を利用して躯体に熱をためない工夫が

通気層にはあります。熱気を無計画に溜めこまずに効率よく排出することで、

室内に流入する熱量を抑えるようにしています。

土台水切りや軒天の有孔ボードは給気口、棟換気孔は排気口です。

せっかく、高気密高断熱住宅を作っても、小屋裏換気がないおかげで

快適とは程遠い住宅もあるので通気層や排熱換気も断熱や防湿層と

同じように大切な工程です。

 

付加断熱の施工後に透湿防水シート(シルバーのシート)はった後、

通気胴縁と呼ばれる木の桟を取り付けます。

この桟の間を空気が流れる事で壁の中の湿気を

屋根裏に運び、屋根の一番高い所に設けた換気部材から排出されます。

外壁をはると見えなくなってしまいますが、

土台部分からこの桟の間を通り、温度差を利用して屋根裏に

空気が流れて棟から排出されます。(熱い空気は上にあがるのを利用して)

壁の中からの湿気も一緒に排出される為、壁の中が腐りにくくまた、

仕上げの外壁材との間にも空間ができて雨水の壁内への浸入リスクも減ります。

仕上げの外壁材で建物を防水するのではなく、透湿防水シートの状態で

シートのジョイントや窓周りの防水テープを施工して完璧な防水を目指します。

 

 

 

 

T様邸では断熱・気密施工が完了した時点で気密測定をしました。

結果はⅭ値が0.2㎠/㎡(総相当隙間面積αA:26㎠)でした。

中間の検査でしたので2回測定して防湿気密シートのわずかな隙間も

改善出来ました。お施主様に報告して喜んで頂けました。