2024/11/20
多賀城市T様邸では建て方工事が完了して瑕疵保険の躯体検査も無事合格しました。屋根材は、太陽光発電パネルが付くので凹凸が少ないフラットなデザインの屋根材を採用しています。
付加断熱工事も完了してお施主様との配線立ち合い(コンセントやスイッチの確認)も完了したので充填断熱工事を開始します。上の写真は外部に高性能グラスールを張る付加断熱工法(ふかだんねつ)と言いますが寒冷地では一般的な工法に成ります。内部の丁寧な充填断熱と防湿施工に外部に付け加えて高性能グラスウールとプラスαしていきます。熱を通しやす柱や梁の木材部分の※熱橋部分に有効に働きます。
T様邸では、撥水機能があるグラスウールボード32キロ品の45㎜を付加断熱に採用しました。鎌田工務店の標準的な付加断熱仕様に成ります。※熱橋(ねっきょう)とはヒートブリッジともいい断熱材の切れ目に存在する柱などが熱を伝える現象をいいます。木造の外周に面する土台や柱、梁、桁、屋根の垂木などが熱橋と成ります。
壁には90㎜の厚みのグラスウール断熱材を入れています。密度も16キロ品の高性能断熱材です。(こしがあり独立して立つくらいしっかりした断熱材です。)密度が低く、性能の低いグラスウールなどの断熱材を使用すると将来、垂れて隙間が出来たり、熱が逃げやすくなります。この高性能な断熱材を使うとそんな心配もなく、確実に性能を発揮してくれます。断熱材を施工した後、防湿気密シートを後から貼っています。これを丁寧に施工することで確実に気密性能が出て、C値(隙間相当面積)も0.5を切ることができます。この防湿気密シート施工をすることで、室内の湿気も壁の中に入れません。先張りシートや窓周り配線などの穴など気密テープで処理をする為手間は掛かりますが、性能を確保するために大事な作業になります。いくら断熱材に高性能な良いものを使っても気密性が低いとそこから熱や湿気も出て行き入ってきてしまいます。この防湿気密シートを連続して貼ることで壁の中へ空気や湿気が入るのを防ぎます。
さらにコンセントやスイッチなどには気密ボックスを施工して気密テープで隙間が出ないように留めています。この防湿気密をしっかりと行わないと壁の中に湿気が侵入して、躯体の内部結露の原因になってしまいます。何でもそうですが、良いものを使って正しく施工することは性能を発揮するための必須条件と言えます。断熱・気密の施工精度を上げるためには、現場管理者・断熱施工者は勿論のこと、電気工事を担当する技術者や大工さん・水道業者さんや工事に関わるの職人の共通意識が本当に必要です。断熱や防湿気密に絡む電気、換気、水道の施工部位も共通の認識が無いと良い防湿構造が出来ません。
鎌田工務店で造る住宅は断熱施工を丁寧にする事によって冬暖かい暮らしが出来る家を心がけています。夏も当然に断熱が効いて涼しく成ります。
基本は建物の断熱強化、庇やLow-Eトリプルガラスなどによる日射遮蔽が主になりますが、壁や屋根、小屋裏内に熱を溜め込まず熱気を効率よく熱を抜く工夫。
つまり躯体換気(温度差換気)を十分機能させることです。外壁面の通気構法は勿論ですが、軒先に通気口(換気口)を設けて、小屋裏の熱気は屋根の棟から抜く”棟換気”を採用しています。
小屋裏換気の方法は様々ですが、棟換気が最も換気効率が高く、望ましい方法です。鎌田工務店では特別な理由がない限り屋根のてっぺんに取り付ける棟換気を標準としています。
土台水切りや軒天の有孔ボードは給気口、棟換気や高い位置の軒天の有孔は排気口です。せっかく、高気密高断熱住宅を作っても、小屋裏換気がないおかげで快適とは程遠い住宅もあるので通気層や排熱換気も断熱や防湿層と同じように大切な工程です。そして、防水の要に成る透湿防水シートは丁寧に張り、ジョイント部分は防水気密テープで連結させます。
そして、断熱気密工事が完了すると、いよいよ大工さんの、造作工事がスタートします。鎌田工務店では、全棟に長期優良住宅の認定を取得しています。許容応力度計算による耐震等級3を取得しているので、耐震強度がある住宅を造っています。
建物の間取りによっては、壁倍率5.0の部分が多くあります。壁倍率とは壁の強さの事で、5.0は構造用合板9㎜(2.5)両面張りになります。外部と内部両面に張る事になります。その後に、+内部は石膏ボード12.5㎜(1.5)も張りますが、壁倍率は5.0(5倍)までになります。最後の写真はT様邸の室内側に合板を張っている壁倍率が5倍の面の写真に成ります。